読書 科学

人は二つのシステムを持っている ――  『ファスト&スロー:あなたの意思はどのように決まるか?』ダニエル・カールマン著

まあ、なんというか「アダム・スミスの『国富論』やフロイトの『夢判断』に匹敵する新世紀の古典」みたいな書評がでていたりすると、やっぱり読む前に構えてしまうわけだ。 しかも上下巻あわせて700ページ以上だし。でも「著書はじめての一般書」ということ…

真面目にやれよ(笑)―『イグ・ノーベル賞』マーク・エイブラハムズ著

これ、ほしいと思った人も多いだろう。 日本のおしゃべり妨害器に「イグ・ノーベル賞」 YOMIURI ONLINE 【ケンブリッジ(米マサチューセッツ州)=中島達雄】人々を笑わせ、考えさせる研究に贈られる「イグ・ノーベル賞」の今年の授賞式が20日、米ハーバー…

だから、人は(自分も)あてにならないというべき、か? ― 『錯覚の科学』クリストファー・チャブリス、ダニエル・シモンズ著

「コンプガチャ」なる不思議な言葉が世間を賑わしているらしい。 そうか、「コンプリート・ガチャ」の略で「コンプガチャ」なのか・・・と、そんなことを今更ながら知るぐらい、このブログの中の人は、携帯のソーシャルゲームの事情に疎いわけだ。 で、この…

量が質に転化しつつあるから怖いよね、という話 ― 『「科学技術大国」中国の真実』 伊佐進一著

今更こんな話をするのもなんなのだが、政権をとった民主党が「事業仕分け」なるパフォーマンスを大々的に行い、とある「仕分け人」が、世界1位を目指すスーパーコンピュータ開発に関する予算に噛み付いて、「2位じゃダメなんですか?」と発言して物議を醸し…

まずは一つの立場から学んでみようと思ったわけで ―『「反原発」の不都合な真実』 藤沢数希著

今回取上げる本は、amazonでは今日現在、「通常10〜14日以内に発送します」と表示されている。 ということは、なかなかに注文が殺到していて、在庫が払底している、ということである。 このブログの中の人は、都内の某書店で手に入れたわけですが。「反原発…

科学を妄信する人と、科学を否定する人はどこか似ている・・気がする―『疑似科学入門』 池内了著

「トンデモ本」という言葉は、今、どれくらい通じるのだろう?今回取上げるのは、この本なのだけれど、これを読んでいるうちに、イヤが上でも「ドンデモ本」という言葉が思い出されたのである。疑似科学入門 (岩波新書)作者: 池内了出版社/メーカー: 岩波書…

安易に「日本語は特殊」とか言いたくないけど−『プルーストとイカ』メアリアン・ウルフ著

日本人は特殊だとか、日本語は特別だとか、そういうことは安易に言わないほうが良い、と個人的には思っている。 だけれど、この本を読むと、やはり、日本語、そして日本語で育った人間というのは、それなりの特性を持っているのだろうなあ、と思わざるを得な…

血液型? それウソだからさあ ― 『心理テストはウソでした』 村上宣寛 著

心理テストはウソでした (講談社+α文庫)作者: 村上宣寛出版社/メーカー: 講談社発売日: 2008/07/17メディア: 文庫購入: 6人 クリック: 24回この商品を含むブログ (5件) を見る何しろテレビでも雑誌でも、血液型占いというのはよく見かけるくらいだから、信じ…

純粋な心について ― 『ボクは算数しか出来なかった』 小平邦彦 著

ボクは算数しか出来なかった (岩波現代文庫)作者: 小平邦彦出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2002/05/16メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 17回この商品を含むブログ (37件) を見るピュアな本なので、余計な前置きはナシで、ご紹介する。『ボクは算数しか…