優良企業ってなにさ ― 『ドケチ道』 山田昭男 著

ドケチ道 ―会社を元気にする「生きたお金」の使い方

ドケチ道 ―会社を元気にする「生きたお金」の使い方

なにをもって「いい会社」というのか、というのは、議論が分かれるところだ。
そんな、なかで、こんな会社はどうだろうか?

『ドケチ道』
 山田昭男

1965年以来創業以来、赤字を記録したことの無い岐阜の電気設備資材メーカー、未来工業の社長さんが書いた本です。

どれくらいケチかというと
・約330人いる本社オフィスにコピー機は1台だけ。(やってみれば、それでも何とかなる。コピー機の数に比例して、無駄な書類は増える)
・オフィスの蛍光灯には全て紐のスイッチがぶら下がっていて、誰がその蛍光灯を管理するか担当が決まっている。夕方本当に必要になるまで、電気はつけちゃいけない。壁にある蛍光灯のスイッチには「つけるなバカ!」と張り紙がしてある。
・ドアノブは基本、取り外してある。まわさないとあけられない、となると時間がもったいないし、両手がふさがっているときに部屋に入れない。
・お歳暮・お中元、年賀状は出さない。

もちろん、こんなケチなだけでは、社員がついてくるわけもなく、ケチるところはケチるけど、社員に還元するべきはするわけです。

たとえば

・再雇用制度アリ。再雇用後の定年は71歳の誕生日の前日までに自分で決めればいい。
・年間休日は140日前後。育児休暇3年。就業時間は朝8時半から夕方4時45分まで。残業は原則禁止。

あ、岐阜の会社としては、けっして給料、少なくない会社です。ここ。

ちなみに、スライドボックス(家の電気スイッチとかコンセントのウラにあるボックス)では、国内シェア8割でダントツ1位(2位はパナソニック電工)という、ニッチなところでトップを狙う会社です。はい。


社長はしょっちゅう、下着姿で社内を歩き回ってるらしい。
で、常にムダとり励んでいるとか。

ま、あとは「自分は営業の才能はあるけど、他は分からないので、あとは全部、出来る社員に任せる」とか
「教育しない、管理しない、強制しない。徹底的に、社員に自分で考えさせる」とか
「給料にしても、休暇にしても、社員には先にエサを与える。そうすれば『会社にこれだけしてもらっているんだから、もっと仕事を頑張ろう』と少しは思ってくれると信じている」とか、そのあたりが、キモ、だろうか?

まあ、全て社長ご自身が語っていることなので、社員のほうがどう感じているのかは分からんが、
とりあえずこの規模で45年も赤字を出したことが無いってのは、それだけで「超優良企業」である。
けして、大企業でも上場企業でもブランド企業でもない、のだけれど。


あ、散漫に書き出したら、どこで文章の納まりつけたらいいのか、分からなくなってしまった(笑)
ムリに納める必要もないのだけれど。

ではでは。