2011-12-01から1ヶ月間の記事一覧

歴史や道徳を教え込んだって、「かつての素晴らしい日本」は取り戻せないんじゃね?−『日本の「安心」はなぜ、消えたのか』 山岸俊男著

ブックオフをうろついていたら、帯の『「武士道」「品格」が日本をダメにする!』という文言が目に留まって購入した一冊。 けっこう「あたり」でした。こういうのは、うれしいですね。日本の「安心」はなぜ、消えたのか―社会心理学から見た現代日本の問題点…

本物の「金儲けの専門家」が持つ知性−『日本人はなぜ株で損するのか?』藤原敬之著

正直、題名の付け方が、いまひとつ。 それが、この本を読んだとき、最初に浮かんだ感想である。このタイトルは、なんだか「株で簡単に儲ける方法」をアドバイスすると称した駄本と区別がつかないが、内容はもう一段も二段も深い。 一流の人というのは、やは…

安易に「日本語は特殊」とか言いたくないけど−『プルーストとイカ』メアリアン・ウルフ著

日本人は特殊だとか、日本語は特別だとか、そういうことは安易に言わないほうが良い、と個人的には思っている。 だけれど、この本を読むと、やはり、日本語、そして日本語で育った人間というのは、それなりの特性を持っているのだろうなあ、と思わざるを得な…

「屁をこいた坊さん」が僕に思い出させてくれたこと − 『全国アホ・バカ分布考』 松本修著

ことの発端は、なにげなくつけていたテレビで流れていた、関西ローカルのバラエティ番組だったのである。吉本の芸人がわらわらと集ってダラダラとやっているその番組で、「へべれけによっている人に限って、なぜ『全然酔うてないで!』というのか」、という…

人が堕落するスピードは、かなり早い ― 『ユートピアの崩壊 ナウル共和国』 リュック・フォリエ著

多分、海外を紹介するバラエティやドキュメンタリーの類で見たことがある人もいるんじゃないだろうか? ナウル共和国の歴史と今、についてのレポートが、今回取り上げる本である。ユートピアの崩壊 ナウル共和国―世界一裕福な島国が最貧国に転落するまで作者…

結局、人と人が向き合うということだから ― 『「質問力」の教科書』 御厨貴 著

御厨貴(みくりや たかし)。ちゃんと一発変換できるんですね。日曜の朝、TBS系列で放送されている『時事放談』という政治討論番組がある。 一部では「ジジイ放談」と揶揄されたりもしているこの番組、なにしろ関西圏では日曜の朝5時半(関東圏では朝6時)…