2012-10-01から1ヶ月間の記事一覧

語ること、語れないこと、分かること、分からないこと ― 『ウィトゲンシュタイン『論理哲学論考』を読む』 野矢茂樹 著

内容の理解がおぼつかない本について、ここに書くというのは禁じ手というか無謀な話なのだけれど、でも、やってしまう。 そんな気にさせられた本だったわけですよ、はい。ウィトゲンシュタイン『論理哲学論考』を読む (ちくま学芸文庫)作者: 野矢茂樹出版社/…

明るい未来か? 大変な世の中か? ― 『ワーク・シフト』リンダ・グラットン著

何の自慢にもならない話なのだが、このブログの中の人は、複数回の転職を繰り返している。 これは、なんだかんだいって終身雇用が「普通」ないしは「理想」と考えられがちな今の日本の社会にあっては珍しいことのようで、ごくまれに、なんだか「凄いこと」の…

「政治的に正しい」ことをいっても解決策にはならないということ − 『私家版・ユダヤ文化論』内田樹 著

この週末に、今回取り上げる本の著者、内田樹氏の講演会を聞く機会を得た。 主な内容は、メディア論だったのだが、その最後、あらかじめ聴講者から集められた質問に内田氏が答えるところで、ちょっと面白い質問があった。 曰く、「内田さんの本は、どうして…

末端から攻めあがるということ ― 『リバース・イノベーション』  ビジャイ・ゴビンダラジャン クリス・トリンブル著

『イノベーションのジレンマ』『ブルー・オーシャン戦略』を超える衝撃の戦略コンセプト!・・・とまあ、なかなかに勇ましい帯とともに、新刊ビジネス書のコーナーに最近平積みになっているのが、今回のお題である、この本である。リバース・イノベーション…