読書 経済

大英帝国とグローバル企業と“抜け穴”について ― 『タックス・ヘイブン ― 逃げていく税金』志賀櫻著

なんだか、三題噺のようなタイトルになってしまったが、今回のお題はこの本。 どちらかというと、全体を紹介するというより、最近ちょっと個人的に気になったトピックを中心にまとめていこうと思う。タックス・ヘイブン――逃げていく税金 (岩波新書)作者: 志…

人は二つのシステムを持っている ――  『ファスト&スロー:あなたの意思はどのように決まるか?』ダニエル・カールマン著

まあ、なんというか「アダム・スミスの『国富論』やフロイトの『夢判断』に匹敵する新世紀の古典」みたいな書評がでていたりすると、やっぱり読む前に構えてしまうわけだ。 しかも上下巻あわせて700ページ以上だし。でも「著書はじめての一般書」ということ…

経済学ってやっぱりまだ発展途上なんだと思う ― 『デフレーション―“日本の慢性病”の全貌を解明する』 吉川洋 著

それにしても、やっぱり、この2ヶ月ほどの日経平均の上昇が「アベノミクスによる日本経済復活の序章」なのか、それとも「なんとなく安倍さんのお陰で景気もよくなりそう」という期待値に基づいた「ミニバブル」なのかどうか、というのは、よく分らない。 メ…

アベノミクスで給料はあがるのか ― 『日本人はなぜ貧乏になったか?』村上尚己著

日経のサイトによれば、先週金曜日の日経平均株価の終値は1万1,153円16銭、NY外為市場の円ドル相場は1ドル=92円65〜75銭で取引を終えたのだそうな。 さらに調べてみると、昨年12月14日、すなわち、例の総選挙直前の数値をみると、日経平均終値が9,737円5…

社会のあり方と会社のあり方について ― 『日本の経営〈新訳版〉』ジェームズ・C・アベグレン著

今となっては、ほとんど冗談のような話なのだけれど、かつて「世界に冠たる日本の企業の強さの源泉は、終身雇用・年功序列・企業内労働組合の三本柱だ!」 などと言われた時代があった。このブログの中の人も、中学の社会科の時代に、そんなようなことを習っ…

本物の「金儲けの専門家」が持つ知性−『日本人はなぜ株で損するのか?』藤原敬之著

正直、題名の付け方が、いまひとつ。 それが、この本を読んだとき、最初に浮かんだ感想である。このタイトルは、なんだか「株で簡単に儲ける方法」をアドバイスすると称した駄本と区別がつかないが、内容はもう一段も二段も深い。 一流の人というのは、やは…

自分で選びたい人たち ― 『アメリカ 選択肢なき選択』 安井明彦 著

アメリカ 選択肢なき選択 (日経プレミアシリーズ)作者: 安井明彦出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社発売日: 2011/07/09メディア: 新書 クリック: 3回この商品を含むブログ (1件) を見る「財政再建に向けた選択を先延ばしがちなのは、政治的な理由が大き…