読書 政治

普通の物差しでは測れない男について ―― 『トラオ 徳田虎雄 不随の病院王』青木理著

出色のノンフィクションである。「選挙は第4次産業」。 徳之島を中心に、奄美群島地区では昔から言われていたことらしく、実際、このブログの中の人も、20年くらい前に、同地出身の人に「実際まあ、そういわれてるよね」という話を聞いたことがある。 まあ、…

社会科学を現実(?)に適用するということ ―『ゾンビ襲来』 ダニエル・ドレズナー著

ホラー映画をもっともっと見る習慣があったら、面白かったんだろうなあ、この本。ゾンビ襲来: 国際政治理論で、その日に備える作者: ダニエルドレズナー,谷口功一,山田高敬出版社/メーカー: 白水社発売日: 2012/10/24メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: …

結局、人と人が向き合うということだから ― 『「質問力」の教科書』 御厨貴 著

御厨貴(みくりや たかし)。ちゃんと一発変換できるんですね。日曜の朝、TBS系列で放送されている『時事放談』という政治討論番組がある。 一部では「ジジイ放談」と揶揄されたりもしているこの番組、なにしろ関西圏では日曜の朝5時半(関東圏では朝6時)…

ある「元美青年」の人生について ― 『渡邊恒夫 メディアと権力』 魚住昭 著

多分、本当に野球の好きな人、中でもドラゴンズファンおよびホークスファンの皆さんの中には、人事を巡る内紛でスポーツ新聞の紙面をジャックした読売巨人軍に対して、怒り心頭の方もおられるのではないかと思う。 いや、心中はお察しするけれど、個人的には…

神話解体の序曲 ― 『日本海軍 400時間の証言』 NHKスペシャル取材班

日本海軍400時間の証言―軍令部・参謀たちが語った敗戦作者: NHKスペシャル取材班出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2011/07メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 45回この商品を含むブログ (19件) を見るむかし陸軍いま財務省、とか、むかし陸軍いま霞ヶ関、と…

尊敬に値する総理大臣がいた時代が、この国にもあったらしい ― 『危機の宰相』 沢木耕太郎 著

危機の宰相 (文春文庫)作者: 沢木耕太郎出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2008/11/07メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 32回この商品を含むブログ (26件) を見る「佐藤、池田総理、嘘だけ言うとさ」という(一部で)有名なフレーズがある。 これだけ見ると…

自分で選びたい人たち ― 『アメリカ 選択肢なき選択』 安井明彦 著

アメリカ 選択肢なき選択 (日経プレミアシリーズ)作者: 安井明彦出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社発売日: 2011/07/09メディア: 新書 クリック: 3回この商品を含むブログ (1件) を見る「財政再建に向けた選択を先延ばしがちなのは、政治的な理由が大き…

ダメダメな組織について考える - 『失敗の本質』 戸部良一 寺元義也 鎌田真一 杉之尾孝生 村井友秀 野中郁次郎 著 

失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)作者: 戸部良一,寺本義也,鎌田伸一,杉之尾孝生,村井友秀,野中郁次郎出版社/メーカー: 中央公論社発売日: 1991/08メディア: 文庫購入: 55人 クリック: 1,360回この商品を含むブログ (287件) を見る先週の土曜日の…

ある男の野望が生み出したもの − 『原発・正力・CIA』 有馬哲夫 著

原発・正力・CIA―機密文書で読む昭和裏面史 (新潮新書)作者: 有馬哲夫出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2008/02メディア: 新書購入: 23人 クリック: 403回この商品を含むブログ (74件) を見る福島の原発の状況が、ずるずると実態の悪化しているように見える今…

都知事選の結果を見ながら ― 石原慎太郎論

それにしても、あれだよ。 8時になった瞬間に都知事選の当確だされちゃ、興ざめだなあw なんも面白くないじゃんよ。(やや不謹慎発言)。 はっきり書いてしまうのだが、アタクシは石原慎太郎という人が、どうしても支持できない。 それは、思想がどうとか、…